成年後見人の手続き方法

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成年後見を利用しようと考えている人の中には、どのように手続きを進めたら良いか分からないという人も多いのではないでしょうか。

ここでは、家庭裁判所に申立から手続きが終了するまでの流れを説明していきます。

成年後見人手続きの流れと必要書類

成年後見制度とは、認知症などで判断能力が十分ではない方を法律的にサポートするための制度です。

成年後見には任意後見と法定後見の2つがあり、それぞれの手続きには若干違いがあります。

法定後見の手続き

本人・配偶者・四親等以内の親族のうちの誰かを申立人として、本人の住居からもっとも近い家庭裁判所で『後見開始申立』の手続きを行います。

もし、手続きができる親族や配偶者がいない場合は、お住まいの市町村の首長が申立を行うことができる首長申立の制度があります。

後見開始申立を行う際に必要な書類を集めるにあたり、まずはかかりつけの病院などで医師に診断書を書いてもらいましょう。

というのも、法定後見制度は被後見人の判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助に分かれているため、被後見人へのサポートがどの程度必要であるか、診断書を通して判断するからです。

次に、申立に必要な書類を集めていきます。本人の戸籍謄本、成年後見人候補者の戸籍謄本・住民票・身分証明書・登記事項証明書が各1通ずつ必要になりますので、それぞれ被後見人の本籍地の市区町村役場で取るようにしてください。

必要書類が揃ったら、申立をする家庭裁判所で申立書類一式を取得し、必要事項を記入します。

最後に申立に必要な収入印紙や切手を用意して、家庭裁判所に提出すると、家庭裁判所の調査官が申立人と後見人候補者に申立ての理由や事実の調査などの事情を聞くために面接を行います。

その後、裁判官が調査結果や提出資料にもとづいて判断を決定する審判が行われます。審判に不服申立てがなければ、審判書を受領してから2週間後に確定しますので、不服がある場合はこの間に手続きを取りましょう。

審判が確定し、裁判所から審判書謄本を受け取れば、裁判所が依頼してから2週間程度で東京法務局に審判の内容が登記されます。

登記が完了したら法務局で『登記事項証明書』の取得もしておきましょう。登記事項証明書は、後見人の業務を行う際の手続きで後見人の権限を証明するために必要な書類になります。

成年後見人に選任されたら、被後見人の財産を調べて財産目録を作成し、金融機関や役所へ提出するなどの業務が始まります。

任意後見の手続き

被後見人になる予定の方が将来自分を支援してくれる人(任意後見受任者)を決め、支援してほしい内容を決定し、契約内容をまとめた原案を公証人役場に持ち込んで公正証書を作成してもらいます。

公正証書の作成には、任意後見契約と代理権の範囲の原案、被後見人の戸籍謄本・住民票・実印・印鑑証明書、任意後見受任者の実印・印鑑証明書が必要になりますので事前に準備しておきましょう。

公証人がこれらの事項を確認し、作成された公正証書任意後見契約書に本人と任意後見受任者、公証人が署名することで任意後見契約が正式に成立します。

本人の判断能力が低下したり認知症になったりしたら家庭裁判所に行き、任意後見監督人を選任してもらうための申立てを行います。

この際に必要な書類は法定後見人を選任するときのものと同じになります。任意後見監督人が選任されると、任意後見人として、財産目録を作成や金融機関への届出など様々な業務を行うようになります。

また、年に1回程度、任意後見人は任意後見制度を利用したことを家庭裁判所へ報告する義務もありますので、忘れないようにしてください。