介護において大切にしたいこと

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日本は先進国の中でも類をみない速度で高齢化社会を迎えています。2025年には日本の人口の後期高齢者(75歳以上)の割合が急激に増え、これまで社会保障を支えていた世代が保障を受ける側にまわります。

加えて高齢者の10人に1人の割合で認知症になることや、老老介護など超高齢化社会では様々な問題が危惧されています。

私たちにとって「介護」は今後身近な存在になることは避けられません。

ご家族の介護や場合によっては介護を職にする方もいるかと思います。

今回は「介護」に携わる際に大切にしてほしい心構えについてお伝えしていきますね。

パーソンドセンターケア

パーソンドセンターケアという言葉をご存知でしょうか?

認知症になってしまうと、記憶の低下や徘徊や暴力などの問題行動が増え日常生活で介護する場面が増えてくるなど介護負担が大きい病気の一つです。

認知症の方の尊厳を遵守するための手法として「パーソンドセンターケア」という言葉があります。

具体的には介護するうえで「相手に寄り添い、相互に信頼関係を構築する」ことを目的にしていますが、これは認知症のみならず、介護をする上での心構えとしては共通のことではないでしょうか。

相手も望んで介護を受ける側にまわったわけではありません。

介護するうえでは、相手に寄り添い相互に信頼関係を築くことに配慮し相手に接する事が大切です。

ユマニチュード

続けてユマニチュードという言葉を聞いたことがありますか?

「ユマニチュード」とはフランス発祥のコミュニケーションの技法で、感情、言語、知覚による包括的なコミュニケーション技法で、相手の「人間らしさ」に重点を置く哲学を意味します。

特に「みる」、「話す」、「触れる」といった方法、具体的には相手の目線の高さで視線を合わし、話しと軽いボディタッチなどを組み合わせお互いに信頼関係を構築していきます。

当たり前のように聞こえる方もいるかもしれませんが、介護においてはとても大切なことなのでぜひ覚えておいてください。

安全面と心理的負担

今まで信頼関係を中心にお伝えしてきましたが、同じように大事にしてほしいことに安全面への配慮と心理的負担の軽減があります。

安全面は当然ですが転倒や危険行為により、2次的に介護状態を悪化させてしまうことがないように日々介護者の環境や体調に配慮することが大事です。

安全面への配慮としてはOJT(現任訓練)やKYT(危険予知トレーニング)などを活用するのも望ましいですね。

心理的負担についてですが、介護に携わることは身体的にはもちろんですが心理的にも大変きついものがあります。

昨今介護負担による事件などもニュースで目にする機会がありますが、今後急速な高齢社会を迎えることで、増えることはあっても減ることはないのではないでしょうか。

介護現場で勤務する場合は、職場や他事業所で連携し介護の問題を一人で抱え込まないようにすることや最近では個人情報の保護を遵守したうえでSNSなどを上手に活用しストレスを軽減する方法もあります。

また家族を介護することになった場合は、お住まいの地域包括支援センターや居宅介護支援事業所のケアマネジャーといった専門職に相談し、一途に介護負担を引き受けることを防ぎましょう。

まとめ

介護において大切なことは自分と相手を守ることではないでしょうか?

人と人の関係性なので、お互いに負担になることは必ずあるでしょう。

しかし相手も好きで介護を受ける必要になったわけではないという事にも配慮し「パーソンドセンターケア」や「ユマニチュード」で提唱されている人間の尊厳、信頼関係を構築できるように努めることが介護においては重要となります。

誰しもが年齢を重ねることで「介護」という言葉と向き合う必要がありますが、負担を軽減できる環境を整え、信頼関係を構築していくことを心掛けていきましょう。